干貝柱の製造工程
干貝柱の製造は如何にばらつきのない均一な品質の干貝柱を作れるか重要なポイントです。
原料の徹底した鮮度管理からスタートし、きめ細やかに設定された各製造工程、貝の状態や天候によって微調整される熟練の技に基づく加工管理、 そして北海道漁業協同組合連合会の検査・格付けによる、最終製品の品質と安全性の保証、北海道産の干貝柱が世界一の品質であり続けるのは、これら全てが必要不可欠な要素です。
① 原料貝搬入と保管
冷蔵設備付きの原料貝タンクに原料貝を搬入します。
気温等によっては更に砕氷等も使用し、原料貝タンクを一定の温度以下に維持して鮮度を保持します。
② 原料貝洗浄と一番炊き
貝に付着している砂等の雑物を洗い落とした後、貝の開口をしやすくする為に煮熟します。貝が開けられる様になる最短時間で行います。
ボイラー式とスチーマー式があり、ボイラー式の場合は煮熟水の汚れを管理し一定の割合で換水します。
③ 脱貝と冷却・洗浄
脱貝機と人の手で貝殻とボイルむき身とに分離します。
その後冷却すると同時に、表面に付いた汚れを洗い落とします。
④ 内臓除去・洗浄
貝柱を傷付けない様に貝柱から内臓(ヒモ、ウロ等)を取り除きます。繊細な作業が必要となる工程の為、すべて人の手で一つ一つ丁寧に行われます。
分けられた貝柱は再度表面の汚れなどを除去し、大まかにサイズの選別をします。
⑤ 二番炊き
サイズ分けされた貝柱を、それぞれ細かく決められた塩分濃度と煮熟時間に基づいて、熱の通り方・味が均一になるように煮熟します。 塩分濃度の変化や、煮汁の汚濁状態を見極めながら換水等煮熟水の管理調整を細かく行います。
⑥ 焙乾
煮熟後貝柱を小折(=小型トレーラック)に移して放冷し、焙乾室に入れ比較的高温で貝柱のサイズごとに決められた時間で焙乾します。全ての貝柱が均一に焙乾される様に小折の入り具合等によって細かく管理調整します。
⑦ 乾燥・あん蒸
放冷後貝柱を長折・木折(=大型トレーラック)に移し、天日や機械で乾燥します。ある一定程度表面が乾いた後は、表面と内部の水分を均一にさせる為に木箱に入れて寝かせてあん蒸します。
この乾燥とあん蒸の作業は貝柱のサイズや状態、気温や天候等に応じて回数や時間等を細かく調整しながら 何回も繰り返し行われ、この工程だけで1か月近くかける場合もあります。
⑧ 選別・修正
干貝柱の製品規格に基づいてサイズ・等級別に選別します。
その際、貝殻の一部や成分のカルシウムが付着した貝付や石付などの干貝柱がないか一つ一つチェックし、必要な物は小刀等を使って削り修正します。 熟練の技と根気が必要とされる大事な工程です。
⑨ 検査・梱包
北海道漁業協同組合連合会の検査員が検査・格付けしながら梱包してゆきます。1カートン当たり10kg x 2合 = 20kg入れて、Grading カードと安全証紙を付けて梱包終了です。